Devin 北本滉希 社会人編「後編」
養父に帰ってきて地元の和菓子屋で働くことになりました。
和菓子屋と言っても洋菓子と和菓子があり洋菓子の担当につくことになりました。
そこでは、長年働く職人さんがたくさんいて経験値の違いに驚きました。
そして、洋菓子だけでなく和菓子もあるので和菓子ではよく使うものでも洋菓子にはあまり浸透していない材料があったり、またその逆もあったりと使う材料の幅が広がりました。
基本、生ケーキの仕上げや仕込みなどを担当させてもらいました。
自分で作ってみたいなと思うケーキや焼き菓子など仕事終わりに作らせてもらったり凄く好きにやらせてもらい感謝しかありません。
恥ずかしながら、仕事中に涙を流した事もありました。
私自身の思いと他の社員さんの思いがすれ違ったりして喧嘩をして、何故私は仕事の事をこんなにも考えているのに伝わらないんだ、、と思い悔しくて部長の前で涙しました。
今、振り返ると若かったなと思います。でも、その時にはすでに自分でこうしたいとかが出来上がっていたと思います。
自分が良いと思える物を自分の形で表現したいなと漠然ですが片隅にはありました。
その時は、「将来は自分の店を持ちケーキ屋さんを開く」この思いだけで仕事をしていました。
漠然と働いていた時、問屋さんが主催する講習会があり上司から行って来ても良いよと許可が出たので行くことになりました。
講習を受けていて、少し前の席に以前から気になっていた養父を拠点に活躍されていた le fleuveの上垣氏がおられて、ここで話しかけなくては後悔するぞ。と思い挨拶させてもらい後日、工房に見学させてもらう事になりました。
講習会そっちのけで話しかけるの緊張しまくったけど話しかけて良かったーと思ったあの時の事は忘れません。
そして、工房を尋ねてお話をしてまた次の日は、夕食を食べに行こうという事になり二日間に渡り色々な事を話をした結果、私はお店をするという事を非常に簡単に考えていたんだと認識させられてお店をして何がしたいのかもふわふわしている事に気がつかされました。
私が私なりに真剣に考えていた未来計画が根本から論破されてかなり落ち込みました。
普通の人ならお店出すの辞めようとか思うかもしれません。
ですが私は、上垣氏が言ってる事が私の中で妙にしっくりきてもう衝撃的すぎて単純にスゲーなって感じてなんかわからないですけどやってやろうってなりました。
そこからは、仕事しつつ休みの日を使い週1に le fleuveの工房に遊びに行っていました。お菓子の話を聞いたり経営の話を聞いたり雑談したりと。
話をしていくうちに自分の菓子屋の形が明確に見えてきてその形が「Devin」という形になりました。
今でも、le fleuveに行っています。そこで得るものは多く本当にありがたく思っています。
色々な職場で出会ってきた人には凄く恵まれていて感謝ばかりです。
繋がるって凄い素敵で大切な事だと思っています。
社会人としては少しばかり月日は経ちましたが、経営者としては始まったばかりです。
感謝をしつつ自分色を出せれたらと思います。
他にも書ききれない出来事があったりもしますがこの程度でまとめようと思います。
ありがとうございました。